東京閑〜とん☆ちん☆かん〜日記

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カテゴリ:引っ越すまでのこと。( 68 )

基本設計/3回めの打ち合わせ

…ショック。としか言い様がない。
今回提示された案は、私たちの「やっぱりテラスが欲しい」という希望を
容れたものだった。今回もスタディを重ね、その中で最良と思われる
提案をしてきてくれた事は、図面を見、話を聞いてすぐにわかった。
にもかかわらず、前回の、テラスのないプランの方がずっといい。

前回までのプランは、スケルトンの階段部分が一直線の折り返し、折り返しで
まとまっていて吹き抜けの下から見上げた時も美しいし、
天窓から下に光を落とす事ができるようになっていた。
動線も素直。階段下のデッドスペースも最小限におさえられている。
デザインと機能の両立。私たちが最もこだわった部分だ。
最初に模型を見せられた時、一目でそのシンプルな美しさに魅了された。

ところが、テラスをつけ2階の床形状が変わったために
中2階(ロフト)から2階に上がる階段の位置も変更になり、
吹き抜けではなくなってしまった。一回ロフトの上を歩いてから
床に置かれた階段をあがるため、ロフトの床面積も食われてしまう。
テラスは干し物が広げられる程度で狭くてもいいと伝えていたのだが
物干のためだけのテラスなら作りたくない、というのがT氏のこだわりのようで
ちいさな椅子とテーブルくらいは置ける奥行きをもたせ和み空間、
リビングの続きとしての機能を付加したいという事だった。
う〜ん、実際になくなってみると、自分がいかにあの階段の形状に
惹かれていたか、身にしみてわかるなあ。
あの階段を無くしてまでテラスを広くしなくてもいいんだけど…

もともと、T氏のおすすめはテラスなしという方向性だった。
立地自体は日当たりがよいので、ただでさえ狭い室内空間を削って
テラスを設けなくても、工夫をすれば室内で干し物もできるだろうと
言って下さっていた。でも…
ゴリ押ししたつもりはないが、私たちの要望がデザインに影響を
与えてしまったという事実は否めない。

私たち自身の仕事でもよくある事だ。
最初にプレゼンした案が一番いいという手応えがあるのに、
クライアントの細かい要望を部分部分で反映していったがために
最初の良さが損なわれてしまい苦い思いをすることがある。
それでも、最終的にはクライアントに喜んでもらえなければ意味がないと
思い、そこからできるだけ良い結果を導き出そうと作業を進めるのだが、
胸中は複雑だ。自分が、まさに逆の立場で同じ思いをT氏にさせているのかと
思うとつらい。だけどやっぱりどうしてもテラスは欲しい。
ああ、どうしたら…。せっかく頑張ってもらったのに、
すぐに色好い返事ができない自分がもどかしい。

デザインと機能のこだわりをとるか、小市民的布団干しの幸せを取るか。

ネコたちはどう思うかなあ。実はやつらが一番気持ちのいいあり方を
知っているんじゃないかしらん。のんきな寝顔に、聞いてみたい気がする。
私はもう考え過ぎて、良く分からなくなってしまった。はあ。
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by majalis_k | 2005-07-21 03:22 | 引っ越すまでのこと。

まだまだ基本設計ちゅう。

このところ家づくりのほうで動きがないのですが、
銀行からちょっとせっつかれたりして、焦っているのは施主ばかり、と。

前回、2回目の打ち合わせでやっぱりテラスが欲しいということになり、
それから1ヶ月近くが経とうとしているのですが、まだ連絡はありません。
前回も3週間ほど間が空きましたし、だいたい何か注文を出すと
1ヶ月くらいかかるんだなーと思ってやっていくことにしました。
建築家さんは信頼できる方なので、毎回楽しみなのですが
なにしろ納得いくまでスタディを繰り返すという方針の人なので
設計に半年は最初から覚悟していました。

ただ、1年以内に建てて(ローン返済を開始して)くれないと困る、という
銀行にどう説明したら納得してもらえるのか… というのが頭痛の種。
建売住宅やメーカーハウスに慣れた銀行のローン担当は、
3か月経ってもまだ工事請負契約までいっていない、と聞くと
あからさまに驚き、不安そうな声になるし。そんなこと、言われてもねえ…。
いちおう設計半年、施工半年で間に合わせるつもりでやっているんですけど。
まあ注文住宅でもメーカーハウスだったら半年でできちゃいますから。
同じ家一軒に倍の時間がかかるなんて、説明してもいまいち理解してもらえない様子。

施主であるオットは見ていてかわいそうなくらいヤキモキしている。
まあなるようになるさ、と一旦走り出してしまえばハラがすわるタイプの私。
…走り出すまでのウジウジクヨクヨは人一倍なんですけどね。
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by majalis_k | 2005-07-11 19:20 | 引っ越すまでのこと。

いよいよ最初のプレゼンテーション

建築家(やっぱりそう呼ぶことにした)のT氏の事務所で
最初のプレゼンテーションをうける。

実際に見積もりを取ってもらった案のほかに、
おびただしい数の紙面上でのスタディ、十数個に及ぶ立体模型など、
そこに至る道筋まで見せてもらい、いたく感動する。
それでも、うちの場合は土地が小さいので、敷地内での配置、形状の
バリエーションは作りようがなかったと、少し申し訳なさそうな声でT氏は言う。
この時点ではまだ成約するかどうかもわからないというのに、すごいなあ。
ピピッとひらめいてスパスパ斬っていく天才肌の人もいるだろうけど、
こうして愚直にスタディを積み重ねていくタイプの人の方が、
自分達にちかいような気がしてなんだか安心する。

提案してくれたプランは、とても面白いものだった。
事前に「ライフスタイルシート」という、自分達の現在の生活、持ち物、
新しい家に対する希望など、10ページ以上にわたり
かなり細かく書き込んだものを提出させられた。結構いちいち細かい要望まで
書いてしまったので、混乱させてしまうのではないかと心配したのだが
本当の意味で「いい加減」にそぎ落としてくれていた。
これまでのように、これほど多くをあきらめなければならないのか、という失望もなく
ちょっと変わった形状、というオドロキも用意されていて、ワクワクした。
奇抜ではないが個性的な家にしたい、という私たちの希望に沿うものだったので、
この先もT氏と家づくりを進めていくことに決めた。

ただ、せっかく日当たりのよい土地にこだわって探したのに
開口部が少ない、洗濯物や布団を干すところがない、など若干の不満もあり、
次回の打ち合わせまでに、現在のプランに対するこちらの要望を
まとめておくことになった。確かに、デザイン的にはむやみに窓や出っ張りを
つけない方が、キュービックな外観にマッチすると思う。
なにヌカミソ臭いこと言ってるんだろうな、自分…とすこし恥ずかしくなったが
乾燥機とかどうも好きになれないし、せっかくお日さまに恵まれているのに
それを使わず電気エネルギーを消耗して…というのはやはり納得がいかない。
晴れた日に、存分に陽の光を吸った洗濯物や布団に包まれる至福。
実家を出て一人暮らしをはじめて以来、もう何年もの間、味わっていないのだった。
ネコたちにもこころゆくまでひなたぼっこをさせてやりたいし。
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by majalis_k | 2005-05-27 18:15 | 引っ越すまでのこと。

オープンハウス行ってきました

建築士N兄弟とT氏、偶然近くで同じ日に
新築物件のオープンハウスが行われたので、オットと2人で見に行ってきた。

どちらもさすが、と思わされるすてきな家だった。
N兄弟のほうは一言で言うと「かっこいい家」。T氏のほうは「よく考えられた家」。
今日みた2件に限って言えば、個人的にはT氏の家の方が好みかな。
外観はそっけないくらいだったけど、一歩中に入るといろいろな工夫が楽しく、
でも不思議に落ちつける空間。「ネコ部屋」なんかもあるし。
そこに住まう楽しさを具体的にイメージできたのは、後者の方だった。
あーいいなあ、やっぱり建築士と家を建ててみたいなあ。

ところで、建築という職業はないし、建築のセンセイと呼ばれるのは
どうも嫌だと、ある1級建築士がご自身のホームページで書いておられた。
設計事務所だから設計士と呼ばれることもあるが、それもしっくりこない。
国家資格の名称は「1級建築士」なのだから、あえていうなら建築士と
呼んでもらうのが正しい気がする、と。
それを読んでなるほど〜と思うところがあったので、私もそのご意見にならい、
ここでは「建築士」という呼び方を採用している。

雑誌の見出しなんかは建築となっていることが多いし、
言葉の流通量的には建築のほうが耳慣れてはいるんだけど。
でも「○○家」って言っちゃうと、たしかにちょっと…
イメージいいような、悪いような。なんていうか、自称、っぽくて
ウソくせー?やたらエラソーで敷居が高い感じ?
私が家を建ててほしいのは、どっちかっていうとそういう建築センセイでは
ないのだな。という気分もこめつつ。

※その後TBいただいたサイトを見て、なるほどなるほど、とあっさり改心。
素直に建築ということにしました。。。てへ。
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by majalis_k | 2005-04-23 23:57 | 引っ越すまでのこと。

建築士T氏とであう

どこの工務店も、設計事務所も予算を超えてしまう。
もう自分達にやれるだけのことはやった。あの土地はあきらめよう。
今週の初めには、2人ともそう思っていた。
特約の期限は金曜日。もう時間がない。

火曜日、予算内で見積もりを出してきた工務店がある、と
仲介業者のN氏が喜色満面で電話をかけてきたとき、N氏には悪いが
正直、もうそっとしておいてくれ、もうたくさんだと思った。

そもそも、予算内だった大手メーカーの見積もりがもれだらけ、だったことから
話は始まっている。素人の私たちがどうやってその精度を測れるというのか?
また、安ければ安いで「手抜き工事」の不安が頭をもたげる。
もちろんそんな悪どい工務店ばかりでもないだろうが…
サイトで読んだ「手抜き工事」「欠陥住宅」の事例が次々と浮かんでくる。
工務店と直に渡り合って、それらを防ぐことができる自信は、残念ながらない。

もうほんと疲れちゃいました、と
月例報告で訪ねてきた顧問税理士に愚痴をこぼす。
顧問と言っても年は近いし、ご自身もつい最近マンションを購入したばかりなので
わりと親身に、お金の面以外にもいろいろとアドバイスをくれるのだ。

すると、自分が顧問をやっている設計事務所がすぐ近くにあるから、
話を聞くだけでも聞いてみたらどうか、と言って下さった。
設計事務所はいくつも訪ねたが、設計・施工監理料を含めると
予算内におさめる事は難しいからもういい、あきらめます、とこたえたのだが、
そのひとはローコスト住宅を主に手掛けているらしいから、と強くすすめられ、
その場で連絡を取って下さったので、不承不承会うことになった。

それが建築士T氏だった。
半ば義理を果たすため、と消極的な気持ちで事務所を訪ねたのだが、
作品を見せていただいたりお話を伺っているうち、
だんだん「攻め」の気持ちが戻ってきた。T氏はいくつかの大学で
教鞭をとっておられるということで、語り口調はいかにも研究者然としており、
熱っぽく人を鼓舞するという雰囲気はみじんもない。
なのに、こういう人が「できないとは思いません。おそらく可能でしょう」と
淡々と言い放つと、妙な迫力と説得力があるから不思議だ。
俄然やれそうな気がしてくる。
あるいは、聞きもしないのに「今こんな面白い素材があるんですよ、
こんど○○に使ってみようと思って…」などウットリした目で延々と話し続ける
あたりに、同じヲタ心を持つ者同士のバイブを感じたのかもしれない。

工務店が提出してきた見積もりにも目を通してくださり、
良心的か否かを見分けるポイント、のようなものも教わった。
それによると、ほとんどの工務店が良心的といってよく、
それほどあこぎな見積もりを出してきたところはないとわかって一安心。

私たちとしては、仲介業者の連れてきた工務店に施工してもらい、
T氏に設計/施工監理をお願いすれば、各方面に顔が立つし、
いいかな、と思っていたのだが、双方とも「やれと言われればやるけど…」と
渋い顔。そういうところはなかなかデリケートな問題らしく、
思いどおりにはいかなそうだ。
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by majalis_k | 2005-04-12 17:10 | 引っ越すまでのこと。

やはり予算不足…あえなく玉砕

オットと、川崎にあるN氏の事務所を訪ねる。
外見はおよっ?というようなごくふつうの一軒家風だったが
中へ案内されるとさすが、と思わされるオシャレぶり。
ゴージャスではないがいろいろな工夫が楽しい空間である。わくわく。

N氏は弟さんと2人のユニットで活躍しておられる建築家だ。
お2方とも私たちとほぼ同世代とおもわれるが、
事務所の奥では何人ものスタッフが忙しそうに立ち働いている。
2人ぼっちのうちの事務所とはえらい違いだなあ…

HPでお顔は拝見していたが、実際にお会いしたお2方の印象は、
一言で言うと「剛」の兄、「柔」の弟と言った感じである。
がっしりとした体躯にひげを蓄え、ガラガラ声で歯に衣着せぬ物言いのN氏(兄)。
に対して、線が細く、ちょっと困ったような顔で微笑みながらおっとりと話すN氏(弟)。
なんて絶妙なコンビネーションなんだ! とほれぼれするくらい
息もぴったり、うまいこと役割分担ができている兄弟さんなのだ。

私たちとしては大奮発、背伸びに背伸びを重ねた予算のつもりだったが、
やはり擁壁のやり直しとなると「予算的に厳しい、まず無理だろう」というN氏。
そのうしろで弟さんがスタッフにあれこれ指示を出し、擁壁のやり直しに対する
行政の見解をさぐるために、東京都の条例に関する資料を調べてくれた。

結局、擁壁のやり直しがマストの条件でなければ、何とかなるかもしれないが、
それでも地下ガレージはあきらめざるを得ないだろう、とのこと。
とにかく予定地の区役所へ行って、直接担当者にあって
見解を聞いてきたほうがいいと言われてしまった。
プロの人が行くと役所の態度も厳しくなるのだが、
「ぜひここに住みたいんです」という本人が出向いて熱心に話をすれば、
対応も違ってくることがある、という。そっかー。
いままでメーカーや仲介の業者が調べてくれるのが当たり前、と思っていたけど
自分のことなんだから、それくらい一度は自分の足を使ってやるべき事だったかも
しれない。ちょっぴり反省。

とにかくイニシャルコストを押さえること。そのためには竣工=完成という
考えを捨てること。また、実際に建てるのには1年以上かかるので、
その間の収入もカウントすれば予算は上積みできる、などなど、
なるほどーというアドバイスもいただいた。

「おう、釣りは取っときな!」ふんふん!=3 ってやったら
「お客さん、足りてませんから」と返された気分だ。ハズカしいったら。

想像したとおり、とても素敵な人たちだったので
一緒に家づくりができたらすごく楽しいことになっただろうな。
残念であきらめきれず、帰り道「とりあえず平屋で建ててもらおう(2階は増築で)」
とオットに言ったら怒られてしまった。

たしかに、人にはどう映るか知れないが、仕事の先行きが不安定である
私たちにとってはもうメいっぱい、といっていい数字なのだった。
そんな無理しても作りかけの家しか買えないなんて、
もうオレは田舎に帰る、とオットはすっかりいじけてしまっている。
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by majalis_k | 2005-04-02 22:48 | 引っ越すまでのこと。

あこがれの「建築家」にコンタクト

もうこうなったら最初の希望に立ち返って、
建築家に頼んで夢のマイホームを建ててやるんだ! と発奮。

以前からあちこちの雑誌で施工例を目にして、いいな、と思っていた
建築家にコンタクト。まずはメールで、状況や予定地の概要、予算などの
情報を送り、検討してもらうことに。でも、こんな予算じゃ、
お話にならない!なんてはねつけられてしまわないだろうか。
明日電話しようと思うのだけれけど…かなり緊張する。

すると、なんと思いがけず、建築家N氏からお返事のメールが!
文面から察するに、思ったより腰が低くてなんだかとてもいい人そう。よかった〜
正直、電話するのは気が重かったんだけど、すごくほっとした。

電話でご都合を伺うと、早速明日お会いできることになり、さらに好印象。
ここまで大変な思いばかりしてきたけど、この先家作りが楽しくなるといいな。
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by majalis_k | 2005-04-01 20:14 | 引っ越すまでのこと。

いよいよ土地購入 慌てる乞食は…

きのう朝。
私たちが提示した金額で売り主が合意した、と仲介業者から連絡があった。
何か月も売れ残って値下げもされていた物件とはいえ、
ダメもとで申し込んだ金額があっさり受け入れられてしまい、
喜ぶより先に不安が頭をもたげる。

…この土地だいじょうぶ?

「おめでとうございます!」という業者の言葉にも、引きつり笑いしか返せなかった。
まあ、仮に何の問題もない土地であったとしても、
気の遠くなるような高額の買い物なんだから、手放しで浮かれるなんてできない。
不安は不安だけど、とりあえずすんなり決まってラッキー、と思うことにする。

家づくりを検討しはじめて1年と数カ月。都内数十件の土地物件に足を運んで、
正直疲れた。もううんざり、こんなに楽しくないなら家なんかいらない、とまで
思いはじめていたところなので、そこから解放されると思えば、
確かにめでたしめでたし、ではある。(まだローン審査が通るかどうかわからないけど。)

土地探しも場数を踏んで行くうちに、
「値段の理由」がなんとなく読める様になってくる。
私たちが購入を決めた土地は、
地下鉄駅から徒歩10分ほど離れた高台にある古い造成地。
3m近くもある擁壁は、大谷石を積み上げただけのもの。
見た目には古びていい風情をかもし出しているが、
現行の建築基準を満たす強度は得られない。
擁壁を全部やり直すとなると1000万円近くコストがかかるだろう、と
仲介業者には言われたし、土地代と合わせるととても手が出せる金額ではなかった。
仮に自分のところの擁壁をやり直したところで、
隣地にはさらに高い大谷石の擁壁がそびえ立っており、
地震などの際の不安は消えない。
南道路、整形地、交通の便もまずまず。スペックだけ見ると申し分ないような土地が
周辺の地価に比べて破格といえる坪単価で売られていたのは、そのせいだ。
安い土地には必ずそれ相応の「理由」がある。

一度はあきらめたその土地の購入を決めさせたのは、
度重なる値下げと、某大手ハウスメーカーの見積もりだった。
「新商品のキャンペーン価格」と言って営業が提示した概算コストは
私たちの予算の上限ぎりぎりにおさまりそうなものだったのだ。

それ以前にも、建築士や他ハウスメーカーにもおおまかな見積もりを依頼していた。
やはり擁壁の改修と地下ガレージなどの外構にかかる費用は、
私たちの予算をはるかに、大幅に、超えるものだった。
土地が繰り返し値下げされているのは知っていたが、それでもなお届かない、
一目で「無理」と断言できるような金額しか出てこなかったのだ。

いま思えば、そこであきらめておけばよかったのかもしれない。

見積もりを依頼した4社(大手ハウスメーカー3社と1級建築士)のうち、
1社だけ非常に対応の遅いところがあった。それがDハウス。
他はみな1週間以内に概算+建物プランを出してきたのに
2週間過ぎてもなしのつぶて。それだけで心象を害したし、
そんなところとつきあうこと自体やめようとよっぽど思ったが、
土地探しの途中に見かけたD社の施行物件が気になっていたので
こちらから再度連絡をいれ、催促したのが依頼から3週間後。
その間、いつ土地が他人の手に渡ってしまうのかと気を揉みながら待っていたのに。
さらに営業所、担当をたらい回しにされた上、1から説明し直しで、
オットはもちろん、ふだんは事なかれ主義の私も、堪忍袋の緒が切れる寸前だった。

いま思えば、そこでやめておけばよかったのかもしれない。

依頼から1か月もたって、ようやく営業が持ってきた概算コスト(建物プランなし)が
桁外れに安い。いかにも急ごしらえという感じだったので、
もっとリアルな数字を出してほしい、と頼んでさらに待つこと1週間。
最初の見積もりから軽く250万円ほどアップ(そしてまたプランなし)していたが、
それでも他社よりは相当安い。これならぎりぎり予算で届きそうだ。
でもなぜそんなに安いのか?この数字は信用できるものなのか?と激しく問いつめる。

いわく、地下ガレージには「ボックスカルバート」という工法を採用する。
(ネットでしらべたところ、でっかいU字溝みたいなコンクリートの箱を、あらかじめ工場で作っておいて、現場に持ってきて埋める、というようなものらしい。)
擁壁については、すぐ向かいの同じような造成地で建て売りが建築中で、
そこの監督に擁壁改修のコストを聞いてきたので、大きな増減はないはず。
建物は新商品の2X4で、3月末までキャンペーン価格が適用になる。
さらに決算の時期なので、上司に相談して大幅な割引をつけることができた。
というのがその「値段の理由」。

仲介の不動産業者も、「大手メーカーがそういうなら、まず大丈夫でしょう。」と
コメントしてくれた。そうだよね。ちょっとくらい対応がまずくても、
なんてったって大手だもんね。信用で割高な坪単価とってるんだもんね。プロだもんね。
最初の営業担当より若くて頼りなさそうのが出てきたけど、
彼も結構がんばってるみたいだしね。おまけにつなぎ融資も受けやすいしね…。
なんといっても、そう信じさえすれば、めんどうな物件選びから、
夫婦喧嘩の日々から解放されるのだ。
(夫婦で家探しをした人ならきっとわかってくれるはず。T_T)

そして、信じたい人には、世界がそのように見える。
もう土地も家も、その値段で手に入るものの様に思えていた。
自分の足でつかんだ鉄則を忘れてはならなかったのだ。
安いものには相応の「理由」があるということを。

まさかその「理由」が
「無責任」「見積もりの甘さ」だったとは思いもしなかったけど。
日頃、性善説チックな考え方でうっかり脳天気に生きている自分に、
こんなときは腹が立ってしようがない。
土地探しに疲れ、解放されたいと思う心にスキがあったのか。。。
_____________________________

さて、いよいよ土地購入が具体化した昨日の午後。
D和ハウスにようやく建物プランと仕様&より詳細な見積もりを
見せてもらえることになっていた。依頼から1か月半。
長かったなあ…。キャンペーンの締め切りはもう目前だ。

設計の方も交えていろいろ説明を受ける。最初に建物プランを見せられて、
まあ細かいところはいろいろ注文はあるけど、私もオットも大筋でOKだと思った。
2x4という工法はそれまで考えていなかったので不安もあったが
外断熱だし、内外装も標準でかなりグレードの高い仕様になっていて、
オプションをほとんどつけなくても良いものになりそうだ。
欲を言えばもう一部屋、ロフトでもいいから欲しいかなーなんて言った矢先
見積もり金額を見せられて凍り付いた。

前回の見積もりで、もう予算枠目いっぱいだから、
これを超えるようならすぐ知らせてくれ(土地にストップかけるから)と
執拗に念を押しておいたにもかかわらず。1週間何の連絡もなく
いきなりの350万円アップ、ですよ。
もう一部屋なんて言ってる場合じゃないですよ、お客さん。
いったいどの面下げてこの数字が持って来れるんだろう?
もう土地はこのままいくしかないところまで来てしまっているのに、
どうしろというのか? こんなに無責任なことができるのは所詮ひと事だから?
あまりにあまりなので、怒ることも忘れてただぼーっとなってしまった。

(だいたい私は人前で怒るということができない。
別に信条とか美徳とか思いやりでそうしているわけではなくて、
その場でどう表現していいのかわからない、知らないのだ。
家に帰ってから、一人になってから、酒が入ってから?どっとしわ寄せがくるので
あんまり精神衛生上良くないと思うけれど、仕方がない。
たぶんそういうふうにできているのだ。)

これだけは言える。あの土地があと350万円高かったら、
絶対に絶対に購入申し込みはしなかった。

私たちがあれこれ注文を付けた結果、その分値が張ってしまったというなら
話はわかる。だが私たちの条件は最初から一貫しているし、
まだ何一つ注文は加えていない(これからだもん)。
それなのに、一番はじめの概算見積額からは、なんと600万円近くの開きがある。
ひとえに擁壁と地下ガレージにかかるコストの見積もりミスである。

おまけにそのボックスカルバートとやら。「前面道路が狭いので運んで来れません、
なので普通のRCとやり方的にはほとんどかわりません」…今さら言うことか。
4.5mなんて道幅は都心部じゃ珍しくも何ともない。図面見りゃわかるべ?
たまりかねて「建物の基礎と一体化とかできないんですか?」とつっこむと
「…あ、そうですね 検討してみます。少しは安くできるかもしれません」。
あのー、他のメーカーでは一番はじめに出てきた選択肢なんですけど?。
一応それも検討済みの上での「ボックスカルバート」だと思っていたので
正直、こころの底から、おったまげた。

これじゃあ建物を充実させるためのお金はビタ一文残りゃしない。…って借金だけど。
言われるままの家を建てるしかないなんて、だったら最初から建て売り買うよ。
注文住宅にこだわってやってきたこの歳月と労力は何だったの?
例えば新車一台分かもしれないけど、
350万円あったらちょっとくらいなんか好きにできるでしょうよ?
「350万円なんて、30年で割れば一月何千円ですよ」なんて口にしようものなら
首を絞めてやる…なんて、あらら。取り乱してしまった。ほほほ(壊れ気味)。

…結局、他の住宅メーカーや不動産業者の言うことが正しかった。
それはもう全面的に。

信じたい、信じた方が都合がいいあまりに、心ある人々の言葉に耳を塞ぎ、
いいかげんな話にふらふらとなびいてしまった自分達にも非はあるだろう。
だけど、いかにも怪しげな身元不詳のやからにだまされたわけではない。
この値段で本当に本当に大丈夫なんですか?と食い下がった私たちに
「地盤が極端に弱いとか言うのでない限り、大きな増額はないでしょう」と
言い切ったあの人たちは、「大手ハウスメーカー」の看板と信用を背負っていた
…と私は思うのだけれど。(そういえば地盤調査だってまだなんだ…こわ ^_^;)
彼らの見積もりに基づいて購入を決めたのだから、
もうちょっとなんとかしてくれと思うのが甘いのだろうか。

プロはプロとしてリスペクトする。指図がましい突っ込みは極力控える。
そんなのってもう通用しないのかな。古いのかな。信用ってなんだろう?
もうがっかり。この年になってまた世の中に失望するとは思わなんだ。

とりあえず、子供はつくれないかも。教育費なんてもう無理よ、無理。
親が病気になったりして、介護のために働けなくなったら?という可能性も
リアルになりつつある30代後半。
でも家ひとつで人生設計が左右されるなんて、なんか嫌だなー。
海外みたいに中古でいいから、もっと軽々と買い替えたり住み替えたりしたいのに。

もう土地の契約は来週と決まっている。はてさてどうしたものか?
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by majalis_k | 2005-03-20 18:22 | 引っ越すまでのこと。